ある日のできごとでした。
合唱戦隊 彩葉の団員たちの携帯が鳴り響きます。
怪盗もごもご
「こんばんは。
きのーのおんげんを
頂きました。
ごかくにんください。」
「かえしてほしければ
つぎのふんしょうを
英訳しなさい。」
「でぐちさんは、もごもごと言いました
『ボスちゃうで』」
「これがとければ
きのーのおんげんはかえしてやろう
きゃはははははは」
怪盗もごもごが奪った<きのーの音源>
それは合唱戦隊彩葉が妖怪ハヤシを倒すための唯一の道具。
それを奪われてしまっては、手も足も出ません。
なんとしても取り返さなければなりません。
ですが…。
「まって、英訳?英訳ってなに?」
「英語にするんだよ!」
「いやでも、うちら日本人やしなぁ…」
「Deguchi is BOSS ではNOOOOOO!!!!」
「まってw なにそれw 日本語混じってるしwww」
「分かった!Ms.Deguchi said that she wasn't a boss.やろ!」
「あかん…それだと、もごもごがクリア出来へんのや…!」
「くそっ、誰か英語出来る人おらんのか…(絶望)」
団員たちはみんな、バカでした。
団員たちは困り果てました。
「ああ、こんなとき。
あの名高き名探偵タクトさえいてくれれば
こんな暗号すぐに解決できたのに…。」
そう誰かがつぶやいた時でした。
名探偵タクト
「やあ、みんな、どうしたんだい」
名探偵タクトが現れました。
彼は、先日、盗んだものを返さないことで有名な怪盗シットから
初めて盗まれたものを奪還することに成功し、
一躍有名になった名探偵なのです!
団員
「名探偵タクト様!!!」
「実は…。」
団員は藁にもすがる思いで相談しました。
名探偵タクト
「ふむ…なるほどね。どれ、見せてごらん。」
「これは……もしや…!」
そして名探偵タクトは言いました。
「答えはこうだ!!!!
『Ms.Deguchi said mogomogoly that she wasn't a boss.』」
コトン
近くでなにかが置かれた音がしました。
団員が音の近くへ駆け寄ると、なんとそこには
<きのーの音源>が置いてあるではありませんか!
怪盗もごもご
「けっ、こんなものいらないわよ!
暇してたから相手してあげただけよ!
じゃーねっ!ふんっ!」
そう言うと、怪盗もごもごは一瞬のうちに姿を消しました。
団員
「名探偵タクト様!ありがとうございました!」
「あなたのおかげで無事取り戻すことが出来ました!」
「でもmogomogolyなんて単語、よく知っていましたね?」
「ほんとだよ!辞書でも見つからなかったのに…。」
団員たちは名探偵タクトに群がり感謝と疑問の言葉を述べました。
名探偵タクト
「ははっ、あれはね。怪盗界で使われている新しい単語の一つでね。」
「先日たまたま怪盗シットが使っているのを聞いたんだよ。」
「怪盗シットと怪盗もごもごは実は仲間でね。」
「もしやと思ったら大当たりだったみたいで良かったよ!」
「では諸君!また逢う日まで!」
そういうと、名探偵タクトは大きなマントを翻し、去っていきました。
団員
「ていうか、結局もごもごは遊んでほしかっただけ?」
「なんだそりゃ!」
「人騒がせな奴やな~」
「仕方がないから、また来たら遊んでやるか」
こうして、合唱団彩葉の中に、
「mogomogoly」という新しい単語が生まれましたとさ。
めでたしめでたし。